トロントで遭った盗難から学んだ対応と対策。
Here's the link for English:
3週間前の2018年6月8日カフェで盗難に遭い、
中にあったパスポート、ビザ書類、財布、パソコンとその周辺機器や家の鍵、iPhone6、過去数年間の英会話と歌音源が入ったボイスレコーダー、メトロ定期券、その他、
一度に失ってしまいました。
ILAC での仕事を終えた僕は、友達とカフェへ。その時は満席でした。
Downtown真ん中のBloor-Yonge駅近くの図書館の隣にあるCoffee shopです。
注文したサンドウィッチをテーブルに置き、
カバンから携帯を出しました。
カバンを自分の椅子の右横に起き、
2、3口食べ、パッと横を見た時、
カバンはありませんでした。
目の前にいた4人の友達、左右それぞれのテーブルにいた方達も怪しい人は見ておりませんでした。
4日後カフェのスタッフから電話があり、「容疑者がカメラに写っている」とのこと。カフェに向かい、詳細を聞きました。
「青い帽子をかぶり、グレーのTシャツを着た男が君の一番近い後ろの席に座り、リラックスして携帯を見て座っていた。するとふと立ち上がり、君のカバンをまるで自分のものであるかのように持ち上げ、去って行った。」
後に近くの警備員から聞きました。
「僕はここで長く働いているが、以前もこのカフェの全く同じ席で、別のカナダ人が同じ盗難の被害に遭っている。」と。
盗難被害は、トロント中で身近に起こっています。
今回の経験を機に、周りの友達に調査をし始めました。
僕の友達の一人は、ダウンタウンの通りで歩道を歩いていたら突然スマホを手から抜き取られ、そのまま逃げられて何もできなかったそうです。
また、このブログを書く1日前に、トロントに長く住む友達から「Bay Station 近くのカフェでカバンごと盗まれ、パスポートや財布、パソコン、全て無くしてしまった。」と連絡がありました。
さらに別の友達で、カフェで近くにいたドレスを着ていた女性に「お手洗いに行く間に少し荷物を見ていてほしい」と頼み、戻ってきた時には財布がかばんから消え、その女性もいなかったそうです。
盗難被害は、トロントの至る所で起こっています。
‘Unbelievable': Toronto police warn of distraction thefts after wallet stolen in pub, published June 2, 2018
Bloor-Yonge 駅のすぐ近くにある公立図書館の警備員によると、
「もうここ最近は2日に1度のペースで盗難がここで起きている」そうです。
さらに「具体的な防犯策として警察からの措置は過去何年もずっと取られていない。防犯ポスターすらどこにも貼られてすらいないんだ。」と話していました。
私は今回の自身の体験とこうした周りの方からのお話を聞き、
自分にできる対策を取り続け、それを記録してここに残そうと決意しました。
それが、今回のこの記事を書く目的です。
もしカフェで盗難被害に遭ったら
1. 即座にクレジットカードサービスを停止しましょう。
今回は僕自身の経験のみをきろくしてゆきますので、自分が使っていた銀行の情報のみとさせていただきます。
TD Canada Trust クレジットカード部門の番号:1-800-983-8472 (もしくは 416-307-7722) *24時間年中無休でつながります。
2. 警察へ電話 ---911です。
カナダ国民でない場合は、僕のケースのようにカフェに来てはもらえず、直接近くの交番に来いと言われるのではないかと思います。電話を切る前に、一番近い交番の場所を聞いてください。
3. 可能であればFindiPhoneを使い、盗まれたカバンの中にあるApple 製品の居場所をGPSで探索します。
手元に携帯がある場合は、アプリを通して盗まれたデバイスにロックをかけてください。ただし、これらはデバイスがWi-Fiに繋がっていなければ、まるで機能しません。オンラインになる様子がなければ、直ちにApple ID のパスワードを変更し、ご自身のアカウント上の情報へのアクセスをブロックしましょう。
4. カフェのスタッフに連絡のつく携帯電話の番号を渡しておくことを忘れずに。
カフェ店員がもし怪しい者を見かけたり、監視カメラに容疑者を見つけた場合に、連絡をもらえるように備えます。
5. 交番へ行き、直ちに盗難届を提出します。
交通機関を使うために、一緒にいる友達や周囲にいる方からお金を借りなければならないかもしれません。交番で記載する書類には、盗られた物とその状況をできる限り具体的に記載してください。
その後警察官から、「case report number」(盗難届番号)を渡されます。これを絶対に無くさないでください。この盗難届番号があれば、たとえ盗難犯があなたの身分証明書類を悪用し犯罪を起こしたとしても、その被害に対する責任を免れることができます。
また、日本の運転免許証も盗まれた場合はその旨も申請書類に記載しておいてください。
6. 家の鍵を無くした場合は、家主に直ちに状況を伝えましょう。
家主さんやルームメイトに自分が帰る時にドアを開けてほしいことを伝えます。ドアの鍵はできるだけ早く変えるよう家主さんと話してください。
7. 自分が使っているSNSアカウントのパスワードで思いつく限りのものを全て変更しておいてください。
8. トロント日本領事館へ電話し、パスポート再発行における手続きと、
現状へのアドバイスを聞きます。スタッフとの会話は日本語で行えます。
- 総領事館案内:
http://www.toronto.ca.emb-japan.go.jp/itpr_ja/consulate.html
- パスポートを紛失した場合:
http://www.toronto.ca.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000007.html
9. 現地の銀行へ行き、銀行カードを再発行しましょう。
身分を証明する書類を持っていない場合でも、いくつか質問に答えることで本人確認が取れれば口座カードを再発行してもらえます。
10. 普段から購入しているならば、
メトロ定期券をできるだけ早めに買い直すことをお勧めします。
警察署、領事館、現金を返すときに訪ねる友達の家、その他盗難に遭った状況下で移動が増えます。目先の出費よりも、自分を守るために必要だと判断した場合は、ためらわずに購入しましょう。
11. ビザの再発行をしましょう。
Replacement of an Immigration Document (IMM 5545):
具体的なステップがこのページに記載してあります。英語がわからなければ、周りの友達の助けを借りることを十分に考えましょう。
11. こういった状況になるとやるべき事に追われ忘れがちですが、
信頼できる友達に、自分の正直な気持ちを素直にさらけ出すこともとても大切です。
盗難に遭うと、初めはパニックになり、その後激しく落ち込みます。
「もっとこうすればよかった」と何度も自分を責めます。
ただし、代えられないものを失ったわけではありません。
腕、足、声、目、耳、鼻、その健康な体と記憶もあるのならば、
こんなに幸いなことはありません。
そして盗難に遭ったあなたを助けてくれた周りの方、友達、家族の存在が、
何よりも代えがたいということを、常に心に留めておいてくださいね。
12. SNSでの発信が活発な方は、
クラウドファンディングを通して寄付を募るというのも1つの手段です。
ただし、
1.周りの方に還元したい/発信したい思い
2.リターンを設定すること
がとても大切になると考えています。
寄付してくださる代わりに自分が持てる何を還元できるか、
考えてみると良いのかもしれませんね。
あなたのことを強く認めてくれているような信頼できる友達に、
クラウドファンディングをやっても良いと思うか、
客観的な意見をもらうのも良いかと思います。
僕がクラウドファンディングを通して、ご支援をお願いした時の記事です。
Facebook, Instagram, Twitterで発信をし、
1日で本当に多くの方に、信じられないほどのサポートをしていただきました。
皆様、本当に、ありがとうございます。
・1日のクラウドファンディングの結果はこちら
個人情報の盗難対策について
パスポートなどの身分証明書を盗られれば、
もちろんその個人情報が悪用される可能性があります。
トロントに住むある僕の友達は、
ある日突然カードが使えなくなり、カード会社に連絡をすると、
「OO月OO日からあなたのカードが日本で、多額の支払いのために何度も使われていたため、不審に思い、サービスを停止しました」と言われたそうです。
つまりトロントにいる犯人が、
彼のカードをスキミングし、
日本へ渡航し、悪用していたのです。
こういった例のように盗難犯は、
一度日本に着いてしまえば、例えば運転免許証を使い、
あなたの名義のもとで、
・新しいクレジットカードを作る
・新しい銀行口座を開講する
・消費者団体からお金を借りる
ことすら可能になります。 ( *下記参照 )
ではここで質問です。
日本国内で犯人が不正が遭った場合でも、
カナダで出した盗難届が、
あなたをその責任から免れるように守ってくれるのでしょうか。
その答えを、地元の県警警察に確認をしました。
「免許証が盗まれた旨をカナダの盗難届に記載しているならば、仮に犯人が免許証を日本に持ち込み、悪用したとしても、盗難届を出した日以降の犯罪ならば、あなたの罪ではない証拠になります。」
つまり、日本国内でのあなたの個人情報を使った不正犯罪も、
・カナダの警察で盗難届を直ちに提出すること
・警察署で盗まれた物1つ1つをしっかりと書き残すこと
で、それらが盗難被害に遭った証拠となり、
あなたは法的に守られるのです。
だからこそ、
1. 警察署で提出した盗難届の番号を必ず無くさないように保管しておいてください。
2.運転免許証の失効兼再発行は帰国時に行いましょう。手続きは日本国内でしか行えません。
今後の盗難被害を防ぐためにできる対策
「身の回りの物にはいつも注意をしましょう」
「必要のないものは持ち歩かないようにしましょう」
他人事であれば、これらは言うだけなら簡単です。
こういった意識面だけでなく、環境面を変えなければ、
2度と同じ被害を起こさないような、
長期的に一生の防犯対策を作り上げることはできません。
そこで今回は、私自身が過去2週間で行なってきた、
具体的な防止策の全てを、ここに共有します。
一つでもお役に立てば幸いです!
① 全てのデータをオンライン上のドライブにバックアップする
基本です、一番大切ですね。
Google Driveは15GBまで無料で使えるため、私は毎日撮った写真を、その日の夜にここにアップロードしています。
それ以外のデータは全て、iCloud Driveに毎日自動的にバックアップされています。(5GBまで無料。僕は50GBへアップグレードしました.)
ストレージの容量を増やしたい場合は、
毎月いくらという形で定期的に支払いをすることとなります。
価格表はこちらをご参考ください。
・GOOGLE DRIVE 価格表
https://www.google.com/intl/ja_ALL/drive/pricing/
・iCloud DRIVE 価格表
② ダイアルロックでカバンのジッパーに鍵をかける
上記のビデオニュースにもあったように、盗難犯はかばんのジッパーを何気なく開けて、中の物を瞬く間に盗んでゆきます。ダイアルロックをつけるだけで、ダイアルを外すまたは切る一手間が増えるため、盗難犯からターゲットとして選ばれにくくなります。
③ セキュリティワイヤーケーブルでカバンと椅子の足を結び、置き引きを防ぐ
例えジッパーに鍵がかかっていても、カバンごと盗まればのちにカバンを切られ、中のものを出すこともできますね。カバンごと盗まれるのを防ぐために、カフェやレストラン、バーの席についた時にワイヤーを椅子と結び合わせましょう。置き引きを未然に防ぐことができます。
④ SIM カードにPINでロックをかける
FindiPhoneというアプリを通して見ていましたが、盗難犯がWi-Fiに繋ぎ私のスマホを使った形跡は見られませんでした。一般的に、盗難犯は、まず盗んだスマホのSIMカードを抜き、別のデバイスに挿入します。すると画面のパスコードロックは解除されます。
(*「現在ご利用の通信事業者とは違う通信事業者の SIM カードをお持ちの場合」をご覧ください。)
つまり、SIM自体にロックをかける必要があります。
デフォルトのPIN ナンバーは、当てずっぽうで入力して、
3回間違えると携帯にロックがかかり電話が使えなくなります。
必ず、ご自身の契約する携帯会社に段取りを確認し、新しい番号を設定しましょう。
⑤ カナダの銀行で、口座を2つ作ります。1つは大口出費用でカードは家に保管。
大口の口座から、毎日必要な分だけを、
もう1つ持ち歩く口座カードに移して使います。
そうすると、例えば財布を盗まれカードを悪用されたとしても、
損失額は小口に入っている金額 ( 僕の場合は$50 ) のみ、になります。
また、カナダの銀行では、無料で使えるアプリまたは銀行のウェブサイトを通して、
どこでも口座間のお金の移動を無料で行えます。(*プランにより異なります。)
つまり毎晩自宅で、次の日に必要な分のお金だけを、
ウェブサイトから無料で 大口の口座 → 小口の口座カード
へとスムーズに移動させられる、ということです。
TD Canada Trust オンラインログインサイト: Easyweb
カナダの銀行では口座維持費を毎月支払うのが一般的です。
参考になる銀行比較サイトはこちらがおすすめです。
⑥ カバンや財布にBluetooth GPS追跡タブを隠して入れる。
万が一カバンが盗まれた時、アプリと連動するこのタブが、
分刻みに居場所を自動で通知してくれます。
⑦ セキュリティセンサーアラームをカバンの中に入れ、
自分の手から離れる時はセンサーをオンにしておく。
実際の使い方の例はこちらです。
私が購入し、使っているモデルはこちらです。
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自分が体験した盗難から学んだ、これらの対応と対策が、
情報としてみなさんのお役に立てることを何より、強く、望んでいます!
トロント在住英語講師 Takuya